
Disk1
いつもより緊張しているような感じ
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 Op.19が1957年4月9-11日 ニューヨーク、コロムビア30番街スタジオ、バッハ:ピアノ協奏曲第1番 BWV 1052が1957年4月11,30日 ニューヨーク、コロムビア30番街スタジオで録音。グールドがゴルドベルグ変奏曲、ベートーヴェンの最後の3曲の後期ソナタに次いで吹き込んだ3枚目のアルバム。
グールドはこの録音する順番と曲目を意図的に選んでいたと思う。ピアノ協奏曲第5番の日本語版ライナー・ノートに出てくるが、朝比奈隆と1958年11月19日にイタリアでこの第2番を共演したらしい。その時にグールドのたっての希望でこの第2番が選ばれたらしい。つまりグールドはこの第2番の協奏曲を最も面白い素材としてとらえていた、ということだろう。グールドは自身3枚目のアルバムにこの曲を選び、バーンスタインを相方として選択している。既にこの段階でグールドの意思決定が存在する、と言うことになるだろう。
ただこのアルバムは音質が非常に悪い。特にオーケストラはデッドな音の状態でいささかガッカリしてしまう。グールドのピアノもいつもより緊張しているような感じでのびのびとした感じが出ていない。ただグールドのやりたかったものというのは分かる気がする演奏だ。
ある意味小説家が新作を出すときにアイデアをどう生かして、どう表現するかと似たものを感じる。それだけグールドはアイデアに溢れていたということだろう。