
Disk1
Disk2
Disk3
何とも新鮮なベートーヴェン!
日頃耳慣れたピアノ協奏曲集ですが、どれも切り口が新鮮。
ベートーヴェンにこのような解釈があったとは驚きでした。
オケのサポートも良く、アーノンクールのとの息が揃った演奏は魅力的です。特に第2番、第1番は、どのピアニストとも似ていない独自な解釈で、目から鱗でした。
思わず、エマールの他の作品も聴いてみたくなりました。
とにかく一聴して損はないと思います。
ベートーヴェン演奏の新しい地平
まだ4番しか聴いていませんが。非常に魅力的ですが、これはベートーヴェンの作品ではないですね。ドビュッシーやメシアンに対する彼のアプローチの延長線上であって、純粋にそこにある音列を彼なりに噛み砕いて昇華したエマールの作品であり、帝政に反発し自由主義を高らかにうたうベートーヴェンの精神とは全く別のところにある物です。非常に繊細で練られたタッチが作品の耽美な側面を浮き上がらせ、ミケランジェリのドビュッシーさえ思い起こさせます。一方、一見自由なカデンツァのほうがよりベートーヴェンらしいモティーフを大事にしている様子が伺えます。触れると跡形も無く崩れてしまうガラス細工のように、1本のロープをしっかりと歩むアクロバットのように、彼は確信を音の造型に変えていきます。いまこの曲はようやくベートーヴェンの200年の呪縛から巣立ち始めているとも言えるのかもしれません。好みが非常に分かれる演奏だと思いますが、バックハウス的でもなくインマゼール的でもない、新たな作品像を提起した、彼の美学が色濃く打ち出された重要な演奏だと思います。ハノンコートという指揮者はしばらく(最近のメディアへの露出の割には)その演奏を聴いていなかったのですが、以前のコンツェントゥス・ムジクスとの演奏が印象にある私には全く別人のように感じました。死んだような“伴奏”に彼のキャリアの終わりを感じざるを得ない落胆が残りました。オーケストラの響きは確かに古楽的要素を出したものではあるのですが、いつから彼は歯の抜けた狼のようになってしまったのでしょう。違った2人??さの衝突を期待する向きには当てが外れたと申し上げておきましょう。