
Disk1
バーンスタインの良さのすべて
バーンスタインの良いところ
音の響きの良さ、拡がり、大らかさが全てあるような。
スピード演奏
交響曲第9番「新世界より」についてですが、聴いてみて第1、3楽章が荒削りで
非常にテンポが速いという印象を受けました。
演奏の緩急が大きく、速いところでは一部指揮についていけてないと
思える部分があるほどです。
特に速さを感じる第1楽章は、よくある演奏(反復部なし)で10分前後のところを
反復部込みで11分という速さで演奏しています。
第4楽章は、全体的に雄大で聴き応えがあるのですが、
後半の一部で緩急をつけすぎているようなところが気になります。
また逆に、第2楽章は非常に緩やかに情緒的に演奏をしているので、
他の楽章とは違って聴き入ることができるのではないでしょうか。
個人的には、ケルテス&VPOの全体に調和の取れたものが好きですが、
このバーンスタインも1つの形だと感じました。
総じて言うなればこの曲にスピード感やメリハリを求めて聴く場合に
オススメではないかと思います。
筆者をとりこにした名演奏
1962年録音のドヴォルザーク作曲交響曲第9番「新世界から」、この演奏(当時はLPレコードだった)が、筆者を魅了し、バーンスタイン派にした。当時、筆者は中学2年生だった。吹奏学部でTromboneを吹いていた(今も、アマチュア・オーケストラで現役です。)この演奏を選んだのは、特別な理由があってのことではなかった。ただ、ドヴォルザークは当時のチェコスロヴァキアの作曲家で、アメリカで活躍した、そしてこの曲もアメリカで書かれたという事実から、店頭に何枚もあったレコードから、これを選んだ。それだけのことだった。それ以前から、いくつかのオケもののレコードや吹奏楽を聴いてはいたが、指揮者とオケを選ぶという意識はなかった。(因みに、当時は、東京佼成ウィンド・オーケストラが、日本の吹奏楽界では「神」のように崇められていたが、筆者は、この楽団の演奏が好きではなかった。後に、ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団やイーストマン・ウィンド・アンサンブルの演奏を聴いて、こういう演奏を上手い演奏というのだ、と確信した。)この演奏の瑞々しく、エネルギッシュで、表現の豊かな点に感動し、これ以後、筆者はレコードを買うときに、「指揮者とオーケストラ」を選ぶようになったのだ。当時、まだスコアも読めないのに「ポケットスコア」まで買い込んで、それを見ながらレコードを聴いたものだ。私がこのレコードを購入してすぐ後に、姉がカラヤン指揮ベルリン・フィルの同曲のレコードを買ってきた。聴かせてもらったが、カラヤンが偉大な指揮者だとも、ベルリン・フィルが上手いとも思わなかった。それほど、この演奏との出会いは、カルチャー・ショックだった。バーンスタインは、微妙にテンポを揺らしながら、豊かな表現で聴き手に迫ってくるような音楽を奏でる指揮者だと思った。
その思いは今でも変わっていない。望郷(懐郷)を思わせる冒頭部から、アメリカの大都市(おそらくニューヨーク)の喧騒を思わせる激しい音楽に変わり、また穏やかな音楽に戻り、また、視点がアメリカに戻り・・・を繰り返して、第1楽章が終わる。第2楽章は有名は「家路」のもとになったもの。これもチェコスロヴァキアへの望郷を暗示している。第3楽章は、故郷の民族舞踊の音楽をモチーフにしているらしい。そして第4楽章。ドヴォルザークは機関車が大好きだったらしい。家のそばの操車場の周りを毎日散歩しては、「今日は何型の汽車が止まっていた」というメモを付けていたとか。自分の体調が悪い日は弟子に、その日、何型の汽車が止まっていたかを見に行かせたらしい。そんなところから、第4楽章の冒頭部は「汽車が発車する音をオケで再現したもの」と解釈する指揮者もいる。そのようなアメリカの大都市の喧騒から始まり、また祖国の描写が入り、を繰り返して、最後は、アメリカにいる自分にとって「如何に祖国が地理的に遠いか」を思わせるように、ホルンの和音でフェイド・アウトして終わる。その部分が、「アメリカ」を表しているのか、「チェコスロヴァキア」を表しているのかを想像しながら聴いてみると、この曲の、新しい面白さがみえてくると思います。バーンスタインはロシア系ユダヤ人の移民の息子だったので、アメリカで活動しつつ、ロシアやイスラエルに思いをよせ、その思いを、ドヴォルザークの音楽に具現化したのかもしれない。彼の音楽は、スコアの読み方が極めて主観的だが常に強い説得力があるのは、彼の人間としての経験が豊かであり(当然、多くは精神世界での潜在経験でもあろうが)、彼の、その経験の豊かさ(=高い知性に裏付けられた、人としての懐の深さ)が様々な作曲家への共感を可能にしたのであろう。録音は古いですが、音質にはほとんど問題はありません。交響曲第9番「新世界から」の1つのレパートリーとしてもっていて絶対に損のないCDです。
若き日のバーンスタインの熱演
この「新世界」が録音されたのは1962年。バーンスタインがニューヨーク・フィルの音楽監督になって4年目の脂ののってきた頃の演奏。このとき44歳。実に若々しくて勢いのある名演だと思う。後年次第にテンポがゆっくりになってきたバーンスタインだが、緩急つけ、速い部分での熱のこもった推進力、ゆっくりした部分での表現力のバランスが実に見事。この曲の民族的な叙情性を素晴らしく表現している。カップリングの謝肉祭・スラブ舞曲もなかなか味がある。この頃のバーンスタインと、後のバーンスタインを聞き比べてみるのも面白い。まさに新世界における巨匠の演奏にふさわしい一枚だと思う。
バーンスタインって・・・
有名な指揮者の筆頭に上げられる彼ですが、いつも私の期待を大きく裏切ってくれます。この曲が大好きな私は、合計11枚の新世界を持っています。迷ってはいましたがコレクションの一枚として購入。結果はやはり。音が荒いのと、曲が変わっていること。なぜに彼を大指揮者と呼ぶのか私には合点がいきません。
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