
村上春樹ガイドとしても秀逸です
本書の著者は、村上春樹の世界を仲立ちにして、心理療法の過程で起こる様々な出来事をやさしい眼差しで描いてくれています。
村上春樹の著作は数冊読んだことがあるもののその世界観に入れずにいたのですが、本書に語られる「異界」をキーワードにもう一度読み直すことで、その深さが少しわかったように思います。
コアな村上ファンにとっては賛否両論なのでしょうが、優れた村上春樹入門書だと思います。
初めて納得できる村上本に出会った!
なぜ、羊男はずっといるかホテルに存在していたのか、なぜ、ミュウは観覧車から自分の姿を見ることになったのか、
なぜ、クミコはトオルの側から消えなくてはならなかったのか、
「向こう側」とか「あちら側」は私たちの日常とどう関係しているのか・・・
その他、村上作品のさまざまなモチーフについて、深い考察が提示してある。
今まで様々な村上作品の解説本を読んできたが、ここまで納得できるものは初めてだった。
そう言えば、ダ・ヴィンチ誌上で堺雅人が、心理療法で人を深く理解することと、役を深く理解することの共通点を
この本から感じたと述べていた。
この筆者は、多分、クライエントを理解しようとする姿勢と同じ姿勢で村上作品へ向かっているのだろう。
そこに堺雅人を触発するものがあったのかもしれない。
ともあれ、今まで考えたこともないベクトルから村上作品について考察してある良本であり、
またすべての村上作品を読み返したくなった。
臨床心理士のカウンセリングの方法にもよるのでは
カウンセリングの方法でロジャースとかフロイトの精神分析みたいなのが、色々あると思うのですが、ここまで過去の心に起った問題が、今起っている困難と関係しているのでしょうか?
著者のカウンセリングが、どの理論、方法に拠ってカウンセリングしているのかに興味を持ちました。
非常に良い本。大事なのは向こう側
村上さんの作品は前々から好きだったが、自分でもその理由が分からないでいた。ただ、どうしようもなく憂鬱な時には読みたくなるな〜という感覚はあった。
岩宮さんは精神科医として臨床で関わる患者の心に、村上さんの描く物語との類似点を探りながら、思春期のあり方に迫っている。そのアプローチは非常に丁寧であり、僕もその中でこれまで言語化できなかった村上作品の魅力を発見することができた。
ではなぜ村上さんの本がこんなにも魅力的なのか。それは心を多層的なものとして描いているからではなかろうか。そして思春期というのは心が多層化する時なのかもしれない。
この本は村上さんの本が好きな人から、教育に関わる人まで広く読まれる良本だと思う。
この商品を買った人は
こんな商品も買っています