
Disk1
Disk2
遺産
ヴァント・ベルリンフィルの最晩年の邂逅は20世紀の演奏史の総決算たるものだった。巨匠は去ったのだ。ディスクに記録された録音を通じて過去を偲ぶことしか出来ない。
演奏はなんの起伏もなく、盛り上がりもなく、変哲もない。傍目には無味乾燥な面持ちであるのに耳を澄ませばその奥行きは深く、息使いは無二である。本当に素晴らしい芸術に触れると我々は沈黙する他ない。あえて最高とは言わない。ただこれらの録音を残してくれたヴァントという一人の指揮者に畏敬の念を表するばかりだ。
未完成
未完成はトテモ良かったです。心に重石がかかるような感じ。
でも、ザ・グレートはクライツベルク指揮のほうが迫力があった。
本当に有難い遺産。
「未完成」についてはまだまだ不勉強なものでコメントすることはできないが、「グレート」はうんざりするほどの枚数のCDを聴いて、これ以上のものはないと思った名盤こそがヴァントのものだ。北ドイツ放送交響楽団との演奏も名高いので、どちらを勧めるべきか迷うところなのだが、録音のクリアさ、そして「最晩年の録音なんだよ」というミーハーからもこっちを推すことにする。
なにせリズムがこんなにはっきり聴こえるのかと耳を疑うほど奥が深い。そしてどの箇所にも寸分の隙もない構成力がある。これは誰がなんと言おうが本当。この曲の録音の中で、現時点の我々が「残されていることに最も有難さを感じるもの」の1つであることは確かだ。
よいグレートを聴きたい者は、買うべきだ、と、許光俊や顊??木淳史といった評論家の尻馬に乗るつもりもなく手放しでお薦めする。
ヴァントはブルックナーよりシューベルト
ギュンター・ヴァントはNDRとドイツ物の録音をかなり残していますが、聞くならベルリンpoとのものがお奨めです。スコアに忠実な彼の演奏の良さを十分に引き出しています。
彼はブルックナーで有名ですが、小生はシューベルトの方をより高く評価します。オペラシティでの最終公演の未完成はこれまで聞いたことがないくらい深みのある大きな演奏でした。このカップリングでこのお値段、しかもベルリンpoはお得です。