
Disk1
プロデュース&アレンジの佐藤允彦の目指す音楽と宮本文昭のチャレンジ精神によって生まれたアルバム
宮本文昭の引退によって、彼の奏でる音楽が今後聴くことができないのは至極残念です。彼の音楽業績の足跡を振りかえる意味もありまして、1987年に収録された『鳥の歌』を聴いています。このCDが発売されて20年経ちますが途中再発売されたこともあって現在でも入手可能なことをみても宮本文昭人気は健在です。
ラヴェルの「ハバネラ」でのジプシー・サウンドやパーセルの「ウィンズ・フロム・オリエント」での中東のサウンドは宮本文昭のオーボエの甘い音色ととても良く合っています。2枚リード楽器の源流を遡れば、このエリアに行きつくはずですので、先祖返りのようも面白さをこれらの編曲から感じ取りました。
ジャジーな変拍子による「サンバ・カプリチオーゾ」にはビックリしました。パガニーニのオリジナル曲の演奏だけでも大変なのに、このヴァリエーションを豊かな音楽性をもっていとも簡単に表現するところが天賦の才の持ち主と評される所以でしょう。
オーボエ・ダ・モーレによるフォーレの「エレジー」はベルとの組み合わせによって幻想的な曲に仕上がりました。オーボエ・ミガンギによるカントルーブのオーヴェルニュの歌をテモティーフにした「ブーレ・アンティーク」にも驚きました。ヨーロッパとアジアの融合でしょうし、カントループもこのようなチャレンジは評価したと思える演奏でした。
カタロニア民謡でカザルスのチェロで有名な「鳥の歌」がラストに飾られています。この哀愁帯びた平和を願う曲を情感たっぷりに演奏しているのを聴くと引退が本当に残念です。後進の指導にあたられるとのことですが、演奏家としての輝かしいキャリアはこのようなCDで語り継がれることになりましょう。
気分がほどけるCD
どの曲も、どこかで耳にするポピュラーなものですが、
軽く聴けて、それでいて心に残り、オーボエってすごい、と思わされます。
しばらく聴かずに放っておいても、また聴きたくなる一枚です。
わたしのお気に入りは1曲目と、オーソドックスなオーボエのイメージを裏切る6曲目です。
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