
Disk1
透明で伸びやかな声は魅力
シャルロット・チャーチが12歳の時にリリースしたこのデビュー・アルバム『Voice of an Angel』は本国イギリスで大評判となりました。クラシックの声楽アルバムとして、全世界で300万枚以上売れたのは異例のことだと思いますが、それがよく分かるほど透明な声の持ち主です。
ボーイ・ソプラノは硬質のイメージがありますが、少女のソプラノの声質は、もう少し柔らかい響きを兼ね備えています。『Voice of an Angel(天使の歌声)』という形容がまさしくふさわしい歌姫の誕生です。12歳の歌唱力とは到底思えないほど、ソプラノ歌手として成熟した完成度を持っています。
ロイド・ウェッバー『Requiem』からの「Pie Jesu」は、サラ・ブライトマンのソプラノを聴いて感動したあの歌声に勝るとも劣らない名唱です。透明感溢れる清楚な歌声は、この曲のイメージそのもののソプラノでした。
カール・オルフの『Carmina Burana』から「In Trutina ゆれ動く、わが心」のゆったりとした伸びやかな歌声に将来のソプラノ歌手としての大きな可能性を見出しました。オーケストラをバックに声が浮き出る高音は、特筆ものです。
有名なカッチーニの「Ave Maria」の高音の美しさは、世界を魅了した理由がよく理解できる歌唱でした。カウンター・テナーのスラヴァのお気に入りの曲ですが、表現力はともかく声の透明度で彼女の方が好きです。
ホルストの「木星」からとられた「I Vow to Thee, My Country」は少し無理があると感じました。彼女の音域をもう少し考慮すべきでしょう。
「Danny Boy(ロンドンデリーの歌)」は情感がこもっていて良い歌唱でした。
現在シャルロット・チャーチは、アメリカに渡り、ミュージカルや映画の世界に進出しています。どのような歌姫になるのでしょうか。
すごさがじわじわ伝わりました。
初めて買ったクラシック歌手のCDが、このシャルロットのデビューアルバムでした。そんなですから当初は「ああ、クラシックも素敵だなあ」という程度の感想でしたが、それからこの手の音楽にのめりこむようになると、彼女の歌声の類稀な美しさとこの年にして有り得ない程の技術を持っていることをはっきりと感じ、完全に魅了されてしまいました。ボーイソプラノにはない瑞々しさを持ち、女性歌手として成熟したようでありながらまだまだ清涼感を充分に含んだような歌声は、一聴の価値があります。曲も、有名なものや、耳になじみやすいものばかりなので、私のように初心者の入門として聴いてみるのにもいいかと思われますし、一方で耳の肥えた方には、シャルロットの歌声の真価が目の当たりにできる選曲であるでしょう。
永遠に聞いていたい
このCDは友人に薦められて、旅先に持っていって聞いたのが最初でした。霧に煙る海辺の風景を見ながら、リピ-トで『ピエ・イエズ』を聞いていると、なんだか永遠にこのままでいたいような、不思議な気持になりました。シャルロットのすごいところは、ただ高音部が美しいだけでなく、低めの音も情感込めてしっかりと歌い上げる、年に見合わぬ技巧性ではないでしょうか。これからも、いろんなジャンルの歌を聞かせて欲しいと思います。
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