
Disk1
原点の追求
この人がバッハの無伴奏の練習にどれだけの時間を費やしたか私は知らない。だが音楽的な面も含めて、その鍛錬とも言うべきメソードは我々の想像以上のものだろう。何しろ彼のバッハは聴く者の耳に隙を与えないばかりか、逆に耳を疲弊させる事も無い。どこまでもクリヤーでストレートな表現は彼が到達した境地のほどを示すのに充分だ。つまり作品に対する過度な思い入れも無く、この曲を自己表出の手段にも使わず、音楽のみが持っている純粋な要素を引き出して聴かせようと努める稀に見る演奏家だからだ。おそらくそれがバッハ演奏の帰るべき原点ではないだろうか。彼の前に、また同世代にもさまざまな無伴奏の解釈が存在した。自己陶酔にのめり込むような表現、あるいは耽美的な演奏、更には技巧誇示、こうした過去の遺物を一切拭い去ったところにシェリング自身のバッハ観が存在しているのだ。
素晴らしいベストの演奏
私はこのCDを買う前に所有するLPで20年以上聴き続けていました。それでも飽きが来ないどころか所有する10種類ほどの他のどの演奏よりも素晴らしいベストの演奏と思います。特にシャコンヌの演奏は聴いているとどんどん引き込まれていきます。CD化も成功しておりLPのときの響きを忠実に再現しています。
素晴らしすぎる…
シェリングの演奏を聴くと、音楽と真正面から向き合うことの大切さを思い出させてくれる。特にこのバッハは、本当に人間が楽器をコントロールして演奏しているものなんだろうか、とさえ思えてくる。それくらい自然なのに完璧だ。この素晴らしい音楽の録音がこの世に残っていることに感謝したい。
大して面白くない演奏
上っ面だけをきれいに整えた演奏で、訴えかけてくるものが何もない。
深みがないだけならまだしも、躍動感もないので、面白くもなんともない。
学者の棒読みを聴かされているような演奏で、非常に退屈である。
受験勉強のときに聴いたのはこれ?
私が大学を受験したのは1970年代の半ば頃のこと。
当時「弦楽部」というマイナーなクラブに所属していて、12月の校内の音楽会までどーっぷりクラブ活動にはまり(パートはチェロでした)、年があけてからようやくひたすら受験勉強に没頭する日々を迎えました。
そのときに、来る日も来る日も聴いていたのが、バッハの無伴奏ソナタとパルティータ。
FMラジオからエアチェックしたカセットテープを飽きずに聴きました。
それらの曲を聴いていると、「自分の信じるものだけを信じる」・・ということが、すっきりと体になじみました。迷うことが無かった。
実に受験勉強向きだったと言えるでしょう(笑)。
ところで、当時聴いていた演奏は誰の演奏だったのか?
手がかりは無いのですが、私、バッハは大好きですが、ヴァイオリンとチェロの無伴奏については許容範囲がなぜか狭い。
少しでもあざとい感じがすると(あくまで私にとって・・ですが)ダメなんです。
このことから推測すると、この演奏じゃないかな・・と思います(思いたい?)。
バッハの音楽はなにものにもかえがたい。バッハが必要なときに代わりになるものはありません。
そういうバッハをそのまま表現するとこういう演奏になるように思います。
文句なし。★5つです。
(ところで、チェロの方の無伴奏ですが・・これがどうしても体になじむ録音に出会えません。難しいです。)
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