ロシア・ピアニズム名盤選-8 ドビュッシー:前奏曲第1巻/ベルガマスク組曲 通販

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ロシア・ピアニズム名盤選-8 ドビュッシー:前奏曲第1巻/ベルガマスク組曲

ロシア・ピアニズム名盤選-8 ドビュッシー:前奏曲第1巻/ベルガマスク組曲

Disk1

  1. 前奏曲第1巻
  2. ベルガマスク組曲

アマゾンカスタマーレビュー

印象主義とは異なる『前奏曲』

10年ぶりくらいで、ヴェデルニコフのドビュッシーを聴いた。文庫化された青柳いづみこの『ピアニストが見たピアニスト』(中公文庫)を読んでいたら、冒頭のリヒテルの項でヴェデルニコフに触れられていたので、この世紀のピアニストを「思い出した」のである。

『前奏曲第1巻』にも様々なディスクが在るが、これだけの演奏は思い至らない。精妙な音楽の精妙至純のパフォーマンス。いいや、パフォーマンスという表現は少しも相応しくない。そういう主観的・主体的演奏のエゴイズムを超えたところにこの演奏はある。

クリスタルから絹のタッチ、澱みない流麗なライン。そのうえ彫りの深い陰影。これほど美しく且つ厳しく統御されたピアニズムも稀有だと思うが、ヴェデルニコフの演奏はそうした形容をも虚しくさせる。この手の賞賛はミケランジェリあたりにしておけばすむ。

印象主義の音楽とされるドビュッシーの作品が、極めて個性的ななおかつ普遍的な形象で絶対音楽として現われる姿にリスナーは出会えるのである。「沈める寺」(白眉!)や「ヴェール」「アナカプリの丘」の孤絶のフォルティッシモ!! そして心臓破りのピアニッシモ!!! ピアニッシモはことに凄まじいまでに美しい。しかもその美は音楽を生かすだけのために奏でられている。ほとんどピアノの演奏ということを忘れさせるのだ。
「とだえたセレナーデ」のぴたりと嵌るテンポとタッチの質感、「パックの踊り」の遠近感!! 小洒落たフランスのピアニストの演奏とはまるで違う音楽にも思えてくる。はるかに抽象的な世界であり、印象主義とは異なった音楽のようだ。
とは言え「沈める寺」では、まさに沈み行く寺院を幻視するような気になってくるからスゴイ! 『アッシャー家の崩壊』を思い出しましたがな! ハイ! 参りました!!!

一番有名な(?)「亜麻色の髪の乙女」は感じきった演奏だが、こればっかりは作品の通俗性か、たとえヴェデルニコフの腕でも名曲とは思えなかったが・・・・。

沈める寺

澄んだ水の、深く深く沈んだところに、ぼんやりと見える寺。
ドビュッシーもすごい曲を作ったものだが、
ヴェデルニコフはさらにとんでもない演奏をしてしまったものだ。
美しすぎて音楽ではなく情景と錯覚する。
何がある。あまりに絶望的超感覚のドビュッシー。

貴重なヴェデルニコフの入手可能盤の一つ

鉄のカーテンの向こうで長らくその存在を秘されたピアニスト、ヴェデルニコフ。
そのため残された録音も、メロディア原盤の良質とはいいがたいものが多い。
しかも廃盤が多く、現在入手できるものは限られているが、どれも素晴らしい演奏である。

中にあって89年に録音されたドビュッシーの前奏曲は状態が良好で、きわめて貴重。
美しい響きを存分に発揮し、すばらしい適性を示す。
余裕を持ちながらもドビュッシーのソノリティに細心の注意を払い、豊穣な音色で一曲一曲が描かれて行く。
しっとりとした前奏曲の第1巻はポリーニと好一対だ。

なお併録のベルガマスク組曲も、美しい演奏だが
こちらは69年の録音であり、音質的にはかなり聴き劣りする面は否めない。