
Disk1
肺腑を抉るような・・・
としかいいようのない演奏。かつて某評論家が「二人のヘルベルト」と揶揄し、「そのうち一人はいつか忘れ去られる」とまで評されたが果たしてそれは正しかったのかどうか。
それはこのディスクを聴き、許氏のライナーを読んで頂ければ分かる。少なくとも私はこれほどまでにデフォルメされていながら、違和感なく感情移入できる「運命」を聴いたことはなかった。
そしてアンコールの「エア」に至っては、演奏会当日観客席にいなくてよかった、とすら思う。多分椅子から立ち上がれなくなっていただろうから。
ケーゲルとはナニモノ????
ケーゲルとは、一言で表現できない指揮者であります。
この『運命』にしても、Laserlight から出ているベートーヴェンの交響曲全集の中の『運命』とは、とても同じ指揮者とは思えない。 共通して言えることは「表現力の幅が,極端に広くて一言では批評できない」ってことくらいだろうか? 双方とも素晴らしいのではあるが、このライブ盤は、それこそ唯一無比である。ケーゲルが、これほどまでに、これ見よがしな自己主張した演奏が、他にあっただろうか? それを嫌味と感じるリスナーもいるかもしれないと思い、個人的には星5つなのだが、評価をひとつ落とした。
アリアについては、これこそはケーゲルにしか演奏できないアリアであり、これぞケーゲル節!と言える。このアリアにハマった方には、まずはケーゲルの指揮で, グリーグの「過ぎた春」の試聴をお薦めしたい。
アリア・・・
このケーゲルの演奏は勿論、運命も心をえぐられる程のものなのだが、やはりこのCDの存在意義はバッハのアリアであろう。この演奏を聴いて感動出来ない人は精神を病んでいるとしか云えない演奏である。逆に余りこの曲を聴きすぎるとケーゲルが冥土から誘って来るが如きの心境となってしまうので気をつけた方がいいでしょう。鬱病が原因でピストル自殺してしまったケーゲルの最後の生への雄叫びを聴くが良い。
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