
Disk1
奇蹟を顕現させるブレハッチ
ポーランドのラファウ・ブレハッチはピアノ音楽に興味のある向きは必聴のピアニストだ。
ショパンの前奏曲にビックリし、既に世評も高い古典派ソナタ集を聴いてみてもう一度吃驚。ツィマーマン以来のポーランド出身のショパン・コンクール覇者は、彼の場合誠に伊達ではない。ショパンがよくて古典派もよいなどというピアニストは、ルービンシュタイン以来、皆無なのではないだろうか?リストがよくて、ベートーヴェンも感動的なのは、ヴェデルニコフくらいだ。ホルショフスキもその稀有なる例かもしれない。
ともあれ、ここに聴くハイドン、ベートーヴェン、モーツァルトは汲めども尽くせぬ泉のようなものであり、ことに最後に置かれたモーツァルトのソナタは絶品!!! この一見穏やかな音楽のなかに、人間感情のあらゆる要素が盛り込まれている様はほとんど奇蹟としか言いようがない。それを表現できるブレハッチこそ本物の音楽家だ!!!!
ブレハッチによる意欲的な古典派ソナタ録音
2005年ショパン・コンクールで優勝したラファウ・ブレハッチのグラモフォン・レーベルへの録音第2弾となる。しかも今回は古典楽派のピアノソナタばかりを集めたものだ。これには少し驚いた。というのは、このピアニストには「ショパン・コンクールを制覇したポーランド人」というメッセージ性がフアンには強いため、やはりまずはショパン、もしくはロマン派やスラヴ系のレパートリーに録音活動を展開していくような思い込みがこちらにあったからである。
しかし「思い込み」は「思い込み」でしかない。むしろ、このようなジャンル横断的なすばやい展開を私は歓迎する。芸風を狭めることはない。世界には膨大な音楽が溢れている。
さっそく聴いてみると、すぐにこのピアニストがいかにも若手的な華麗な技術と演奏効果を狙っていないことがわかる。もちろんそれはここに並んだ曲集を見た時点で、多くの人が「ブレハッチの意図はより深い(と概して考えられる)ものを目指している」と感じることだと思う。まずハイドンのピアノソナタの第52番であるが、結果から書くとこれがもっと良く思えた。冒頭から適切な間合いと粒立ちのそろった輝かしいタッチで、しかし微細な表情付けを留め置きながら、鮮やかに音楽が流れている。ハイドンのソナタは、味わいをうまく伝えないと退屈に響いてしまう面があるが、ブレハッチの演奏は決して個性的というわけではないけれど、細やかなインスピレーションがあり、曲を美しく響かせる。第3楽章の運動美はさすがであり、技巧が活きている。
ベートーヴェンのソナタ第2番は私も大好きな曲である。作品2の3つのソナタの中では、抜群に思索的で、神秘性を感じる。この曲でブレハッチが前回のショパン録音で垣間見せた憂いの表情が活きることを期待したが、(期待が大きすぎたこともあって)わりと普通の良心的な演奏であった。もちろん水準は低くはないし、第2楽章のメランコリーも美しかったが、まだまだよくなる要素があると思った。
モーツァルトのピアノソナタ第9番も同様で、美しいがときとして平板な感じもあった。だがそれでも今の時点でこのようなソナタ集を録音したという意欲に私は強く将来性を感じる。さらに一味、ふた味加わったときの演奏を楽しみにしたい。
Rafal did it again!
He's proved he can do not just Romantics but Classicals! Very so clear. I'm waiting for his next album already.
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