
Disk1
クールでスマートで透明感あふれるドビュッシー
サロネンというと「クール」とか「スマート」という形容が決まり文句のように使われるが、この演奏もそうしたイメージを裏切らない。帯にある「美しくも透明な」という文句も、まさにそのとおりと言える。そうしたドビュッシーを聴いてみたいという人には間違いなくおすすめ。
ただし、その帯にある「色彩美」という言葉には少々賛同しかねる。サロネンの特質かオケの特質かその両方かはわからないが、このサロネン/ロス・フィルのコンビは、バルトークやマーラーのCDを聴いてもそうなのだが、あまり「色彩美」は感じられない。透明感にあふれてはいるのだが、その透明感にはステンド・グラスのようなカラフルさはなく、どちらかといえばモノトーンな感じである。だから、マーラーでは、その演奏を「清新」ととらえる人もいるものの、曲が長大なのに演奏に濃厚さや色彩感がないため単調で物足りない感じが残る。その点、ドビュッシーは、個々の曲があまり長くなく、その後の現代音楽の礎となった音楽でもあるので、濃厚さやカラフルさにこだわらないクールでスマートで透明な彼らの演奏も悪くない。しかも、今回は「通常のCDプレイヤーで再生可能な高音質」をうたうBlu-spec盤となって、音がよりクリアになり純度を増している。ただ、往年の名盤マルティノン/フランス国立放送管盤や、最近のラトル/ベルリン・フィル盤(「映像」は含まれていないが)を聴くと、やはりもう少し音色に豊かさがあってほしい気もしてくる。(とはいえ、多数派の暖色系の演奏とは一線を画すこのきわめて透明な美しさを持つドビュッシーも、これはこれでクセになる演奏で、その個性ゆえに時折ふと聴きたくなるものではある。)
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